サステナビリティ担当役員メッセージ
金融サービスを通じ、お客さまの生活をより豊かに
アジア各国においてフィナンシャル・インクルージョンを推進
当社は、1987年の香港を皮切りに、タイ、マレーシア等東南アジアを中心に事業を展開し、現地のお客さまへ地域に根差した金融サービスを提供してまいりました。現在では、日本を含む11ヵ国で事業を展開しています。
昨今、アジア各国政府は国を挙げて「ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)」に取り組んでいます。「ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)」とは、「貧困や差別等によって、金融サービスから取り残され、経済的に不安定な状況にあるすべての人々が基本的な金融サービスへアクセスできるように支援する」という意味ですが、当社の海外各国における35年の歩みを振り返りますと、まさに、「ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)」を実行してきた歴史そのものではないかと考えます。
当社が海外事業を開始した当初、香港では、大卒の初任給が4万円程度だったのに対し、日本製のテレビは20万円で販売されていました。それにもかかわらず、お客さまは店頭でテレビを食い入るように見ていました。所得と憧れとのギャップを埋めることが「クレジット事業」であると確認できたことが、アジアでの事業の始まりとなりました。
現在では、アジア各国における所得水準も上がり、金銭的に裕福な方々も増えましたが、それでもなお、若年世代の多いアジア各国では、家電や家具、携帯電話の購入、或いは公共交通機関の整備の遅れから、日常の移動手段や通勤手段としてバイクの購入需要が高く、金融サービスの支援が必要となります。マレーシアでは現在、バイクの新車登録の約3割が、当社のサービスをご利用いただいたお客さまとなるまでに成長しています。
今後、モバイルやデジタルを活用した電子マネー、そしてイオングループの小売店舗とのポイントの一体化等を通じて、お客さまの利便性を高めながら金融サービスの裾野を広げ、更なる金融包摂を進めてまいります。
サステナビリティの推進
2021年11月、当社は、当社グループが影響を及ぼす社会課題を明確化し、取り組むべき重点課題(マテリアリティ)を特定しました。また、このマテリアリティを中長期的な経営上の課題と認識し、解決するための行動ガイドラインとして、新たに「AFSサステナビリティ基本方針」を制定しました。そして、既存の「CSR委員会」を「サステナビリティ委員会」に改称するとともに、グループ各社の経営陣を巻き込んだ推進体制に改め、グループ一体となって課題解決に取り組んでまいります。私は委員長として、サステナビリティに係る方針の検討やマテリアリティのKPI・KGIの設定をはじめとする実行計画を総合的・専門的に協議・決定します。実行に当たっては、2021年9月の機構改革で新たに設置した「グループサステナビリティ部」がグローバルな視点から専門的な知見・情報収集を行い、統括・支援する体制としました。
これらの体制の下、当社は、国内外のお客さまに寄り添った金融サービスを提供し、金融包摂をはじめ様々な社会課題の解決にグループを挙げて取り組んでまいります。ステークホルダーの皆さまには引き続き温かいご支援をいただきますようよろしくお願いいたします。